創造


創造


かつて
ぼくは あるひとに恋をした

情熱のおもむくままに
むきだしの感情をぶつけた
それが「愛」だと思っていた

「もう無理、あなたにはついていけない」

そう言って
そのひとは去った
まだ「少年」だった日の 苦い思い出

時を経て
ぼくは「大人」になり
そして 再び恋をした
そう きみに

もう 愛するひとを失いたくない

ぼくは感情を抑えた
きみを傷つけたくなくて

むき出しのナイフのような
鋭く尖った心を 鞘におさめ
いつも きみに笑顔で接してきた
それが「やさしさ」だと信じていた

けれど

「あなたは 決して本心を見せてくれない」

そう言って きみはぼくのもとを去っていった

ぼくが「やさしさ」だと信じていたことは
きみには「まやかし」にみえていた

そして
ぼくの「みせかけのやさしさ」は
きみのこころを 
いつのまにか 深く蝕んでいたんだね


今 きみのいなくなった 
やけに広く 寒い部屋で 
ぼんやりと考える

ねえ 知っているかい・・・
「創」という文字には「傷」という意味があるんだよ

人は 
誰かを傷つけ
誰かに傷つけられながら
自分をつくりあげていくものなのかもしれないね

人は罪深い生き物
けれど
ぼくは人であることをやめられない
そして
人を愛することをやめられない

ぼくは
きっと息絶えるまで「創造」をしていく

きみも
きっとそうだろう・・・



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