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Sweet Cherry Pie (後編)

一応、ここで終わりです。
また、続きは書くかもですが。


Sweet Cherry Pie (後編)


「みく・・みーく、どうした?気分でも悪いのか」

ふいに名前を呼ばれて、あたしは顔を上げた。
そこにいたのは、待ち合わせの相手、中学時代のあたしの親友、桐嶋杏(きりしま あんず)だった。
杏とは家が近所で幼稚園のときから仲がよかった。
ずっと一緒の学校だと思っていたのに、中3のときに、杏のお父さんが北海道に転勤になって、引っ越していってしまった。
すごく悲しかったけど、それからも、メールや電話のやりとりはずっと続いている。
ときどきこうして東京に来てくれて、そのときは必ず会うことにしてる。
すぐにウジウジと悩んでしまうあたしと違って、さっぱりした性格で、はっきりものを言う。あたしにとってはちょっとあこがれてしまう存在だ。
悩んだとき、杏に相談すると、解決はしないまでも心がすごく軽くなる。とっても大切な友達。

「あんずー!」

いろんな感情がこみ上げてきて、あたしは思わず杏に抱きついてしまった。



それから十数分後、あたしたちはお気に入りのレストランにいた。
料理もデザートもおいしくて、お気に入りのお店。杏が帰ってきたときは、いつもここで食事するのが定番のコースだ。

「え?すると、何か?あんたは出来たばかりの彼氏が浮気してたからじゃなくて、浮気してなかったから落ち込んでるのか。意味わからんわ」
「だって、彼はすごく誠実なのに、あたし疑ったりして恥ずかしい」
「アホらしい、それって惚気じゃん。もう心配して損した、デザートは美紅の奢りね」
「惚気、そ、そうかな」
「そーだよ、でも、よかった。このまま美紅に彼氏ができないのかと思って気を揉んでたから、とにかくめでたい。デートとかしてるの?」
「今まで忙しくて無理だったの、でも今度の土日に会うことになってる」
「へえええー、あ、すいません。デザートください、チェリーパイふたつ」
「なんでチェリーパイ?チーズケーキのほうが好きなんじゃ・・・」

不思議に思って杏に尋ねると、彼女は意味ありげにウインクした。

「そりゃあ、ね。ついにミクちゃんがチェリーちゃんを卒業するんだからお祝い」
「あんずー!!」

もう、なんてこと言い出すの?!

「なんでそうなるのよ!土日にデートするって言っただけでしょ」
「お泊りデートなのに、お手々つないでおやすみなさいのつもり?19にもなって。それ男にとっちゃ拷問だと思うけど」
「べ、別に泊まるとか言ってなかったもん。土曜日と日曜日、どっちも会おうってだけで」
「おおかた言いたくても言えなかったんだろーよ。察してやれよ、それくらい」

言いたくても言えなかった?そうなのかな。
橘くんってそういうことあまり考えてないような感じだけど、実際はそうでもないのかな。
わ、やだ。何かどきどきしてきた。

「お待たせしました、チェリーパイでございます」

白い器にのったチェリーパイが運ばれてきた。
上にパイ生地がのっていないタイプで、赤いチェリーが可愛らしい。
フォークで切って口に入れると、ほんのり甘酸っぱいチェリーの風味が広がる。

橘くんは、あたしのこと、本当はどう思ってるんだろう。
その答えは、土曜日にわかるんだろうか。

チェリーパイを食べながら、あたしは彼のことばかり考えていた。



END


別に大丈夫ですよね、年齢制限は、ははは・・。
後半の意味が分からない方は分からないままにしておきましょう。
英語の辞書引くとわか・・・(殴!)
読んでくださったかた、ありがとうございます。




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Sweet Cherry Pie (中編)

Sweet Cherry Pie (中編)



友達との待ち合わせ場所は、ここから4つ先の駅前にあるデパートの休憩所。
ソファがけっこうゆったりしてるし、平日は空いているから長居が出来て、あたしのお気に入りの場所だ。
でも、早く着きすぎてしまったかな、まだ時間まで40分以上ある。
時間潰しに本屋さんに寄って、海外のミステリを買った。うん、これでOK。もし待たされても大丈夫。
そうだ、ついでに地下でエクレア買っていこう。あとであたしの家に行くから、一緒に食べられるし。
そう思って、あたしは地下に降りた。


デパ地下のお菓子売り場は楽しい。見てるだけでうれしくなってしまう。
こういうのって女の子だけの感覚かな、最近はお菓子好きな男の子も多いらしいから、そうでもないのかも。
橘くんはどうなのかな。
考えてみると、あたしはまだ彼のことをほとんど知らないってことに気付く。
出身は静岡県で、サッカーが得意で、理科が好き。
あたしが知っているのはそのくらいだ。
もっと彼のことを知っているひとがいたのかな、そう思うとちょっと胸が痛い。

エクレアを買って、待ち合わせ場所に戻ろうとした時、あたしは目を疑った。後姿だけど、間違いない。
橘くん?
なんでここにいるの?
そして、信じたくないことだけど・・・。

彼はすごくきれいな女の人と一緒だった。

あたしの位置からは、橘くんは後姿だけど、女の人とは向かい合う形になる。
腰のあたりまである長い黒髪、白い肌に赤い唇がぞくっとするほど色っぽい。
女の人は楽しそうに彼と話している。

橘くん
そのひと、だれ・・・

だれなの?



突然、女の人が笑いだした。
橘くんが何か言ったんだろうか。
よほど面白いのか、肩を震わせて大笑いしている。
そんなに楽しいの?あたしといるよりそのひとのほうがいいの?
なんだかいたたまれなくて、あたしは思わず目を伏せてしまった。

そして、目を上げたとき、もうそこに二人の姿はなかった。
え?
どこに行っちゃったの?
ふたりでどこかに行ったの?

彼より友達を優先したあたしに、橘くんを縛る権利なんかないのかもしれないけど。
やっぱり、いや。

そう思ったら我慢できなくて、あたしは彼の携帯番号をプッシュしていた。
電源、切ったりしてないよね。
お願い、出て。

と、

“もしもし!”

コールが一回、鳴り終わるか終らないか、そのくらいの早さでつながった。
うそ、早すぎる。
かえってびっくりしてしまった。

「どうしたの、そんなに勢いこんで」
“あ、いや、今すごく会いたいな、って思ってたところだったから以心伝心かな、とか”

橘くん・・・
ごめん、疑ったりして。

「うーん、そうかも。あたしも今メールするつもりで携帯出したんだけど、なんだか急に橘くんの声が直接聞きたくなったの」

ウソつきだ、あたし。
ほんとはあのきれいなひとと一緒にいるんじゃないかって疑って、それを確かめたくて電話したのに。

「今日はごめんね、せっかく誘ってくれたのに」
“いや、いいよ。こっちこそ今まで忙しくて会えなくてごめん。今日は楽しんでおいで”

週末の約束をして電話を切り、のろのろと待ち合わせ場所に向かう。
ソファに沈み込むように腰を下ろすと強烈な自己嫌悪が襲ってきた。
彼は、誠実で優しい。
ずっと友達でいたから、それは十分にわかっていたはずなのに。
嫉妬して疑って、あたしって最低だ。
思わず両手で顔を覆う。
今のあたし、すごくイヤな顔してる、誰にも見られたくない、そう思った。



美紅ちゃん、見てました・・・。
よかったね、蒼くん、誘惑に負けて中川さんについていかなくて。


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Sweet Cherry Pie (前編)

「虹色マカロン」の美紅ちゃんサイドの短編です。
美紅ちゃん側からの心理です。

Sweet Cherry Pie
「虹色マカロン」紅の章・前編


「ええと、あの・・・」
「なに?」

3月11日、バレンタインからもうすぐ一ヶ月というころ、大学から駅へ向かう途中で、彼が話しかけてきた。
彼、橘蒼祐くんはあたしと同じ大学で同じ学年。で、先月付き合い始めたばかりの、あたしの彼氏。
でも、学部が違うから構内ではあまり会えない。
たまたま同じサークルに入っているからその縁で仲良くなったけど、一月前までは友達だった。

橘くんは、はっきりいってかなりかっこいい。
背も高いし、顔立ちも整っているし、運動神経が抜群で、一度
「バク転できる?」
って聞いてみたら、
「転回のバック?50mくらいなら続けられると思うけど」
と、とんでもないことをさらりと言った。
もう次元が違うっていうか、いったいどんな環境で育ったきたんだろう。まさか上海雑技団じゃないよね。

彼は教育学部。うちの大学でも偏差値が高いところだから、当然頭もいい。
そして、教育学部は男女比が均衡しているから、カップルができやすい。
彼は間違いなくかなりもてるはずで、あたしは内心気が気じゃなかったんだけど、なかなか告白できなかった。

初めて話したときから気が合って友だちとしても貴重な存在だったから、恋愛感情を持ち込んで、距離をおかれるのは避けたかったし。

でも、もし、このまま何も言わないまま、友達を続けていって、彼に恋人が出来たりしたら、「なんで好きって言わなかったんだろう」って、きっと後悔する。

そう思ったから、バレンタインデー当日、あたしとしてはかなりの決心を固めて彼にチョコを渡しに行ったんだけど、彼は天然記念物なみに鈍くて、義理だと思われてしまった。
いろいろあった末、なんとかあたしの気持ちをわかってくれて。
「好きだ」って言われて、抱きしめられて、キスされて。
あのときはすごくうれしかった。

これでやっと思いがかなったんだ、恋人同士になれたんだ、って思ったんだけど。

だけど・・・。
今彼はバイトと試験とレポートで殺人的に忙しいらしくて、一緒に過ごせるのは、この帰り道だけ。
ちょっとさびしいな。せっかく付き合いだしたのにデートも出来ないなんて。
そもそも、ほんとにあたしのこと好きなのかな、とか、つい思ってしまう。

バレンタインにチョコ渡したときに、あまりの鈍さに思わず泣いてしまったから、同情してOKしてくれたとか、ああ、どうしても考えがネガティヴな方向に向かってしまう。

「今日でバイトの補習期間が終ったんだ、よかったら、今日、これから食事いかない?」
「え、今日?ごめん、これから中学のときの友達と会うんだ。久しぶりだし」

ついてない。せっかく誘ってくれたのに。でも、今日の約束は前からだし、彼女は遠方に住んでいて次いつ会えるかわからないから、今更予定は変えられない。
なんで今日に限って誘ってくるの?今まで全然こんなことなかったのに。と、つい恨みごとを言いたくなってしまう。

「いや、いいよ。じゃあまた今度」

あっさり引き下がるんだ。なんだかそれもちょっと切ない。
淡白なのかな、それともやっぱりあたしのことなんてどうでもいいの?

「最近、ずっと忙しそうにしてたから、平日、暇になるなんて思わなかったの。だから明日も友達と買い物行く約束してるんだけど」

明日は明日で外せない理由があるから、でも・・・。

「でも、土日はどっちも空いてるから、会えるかな」

思い切って、こっちから誘ってみた。
彼は意外そうな顔をしてあたしの顔を見ている。この間ってすごく心臓に悪い。
もう、こうなったら・・・

「それとも、まだ特別講習とかある?」
「いや、ない。春休みまで何も」
「じゃあ、土日、どっちか会う?どっちがいい?」

いちかばちか、追い討ちをかけてみる。
と・・・

「どっちも!」

という答えが返ってきた。
え?
ホント?土日どっちもあたしのために使ってくれるの?
と、思ったら、

「いや、どっちか都合のいいほうで」
「いいよ、じゃあ13日と14日。時間とかはまた夜にメールするね、じゃあ」

あたしは彼の言葉を遮るように言った。ちょうど駅に着いたから。ううん、本当は、そうしないと彼の気が変わってしまいそうな気がして怖かったから。
改札で彼に手を振って、電車に乗ってからも、あたしはまだドキドキしていた。




美紅ちゃんは美紅ちゃんでいろいろ悩んでいたのですよ、という話。
電車を降りた先には事件が・・・。

ところで、本日、水聖本人はここにいません。
これは予約投稿です。
なので、コメントのお返事はかなり遅れるかと思います。
でも、それでもよろしければぜひコメントください。よろしくお願いします。



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