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2022.09.30 *Fri*
トップページこんにちは、当ブログにご訪問下さり、まことにありがとうございます。 ここは、管理人「水聖」(みさと)が、オリジナルの小説、詩、そして日々の戯言などを書き綴っております。 よろしかったら、どうぞゆるりと、おくつろぎください。 コメント・感想など大歓迎です。お気軽にどうぞ。 リンクはフリーです。でも、ご報告くだされば喜んでご挨拶に伺います。 過去作品についてはカテゴリをクリックしていただければお読みいただけますが、小説など一気に読みたいときは、こちらからどうぞ。完成済みの過去作を随時転載しております。 「FC2小説」ミサトの作品一覧 ではでは。 楽しんでくださると嬉しいです。 |
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2012.01.24 *Tue*
ラブリーピクシー
先日公開いたしました拙作「ふたつの願い」
読んでくださったかた、本当にありがとうございます。 さて、上記の小説には「使い魔」的な役割で妖精のような生き物が登場します。 妖精とは言いながら見かけも中身も可愛さからはほど遠く、女子主人公の楓からは「キモピクシー」と呼ばれ、男子主人公の謙悟に至っては「不細工極まる雄ガキ」とさんざんな言われようをしている、大層残念な生物です。 で、その「キモピクシー」を、なんと、ブロともの ゆささん が描いてくださいました。 クモの巣に引っかかって食われそうになっているところを賢吾に助けられ、イヤそうに「ありがとうございました」と言っているところだそうです。 ![]() な、なにこの超カワイイコは?! いやー、こんなに可愛かったら間違っても「キモピクシー」なんて呼ばれないだろうし、そもそもクモの巣に引っかかってターゲットを待ち伏せするなんて情けない役割をすることもなかっただろうなあ(^_^;) ゆささん、いつも本当にありがとうございます。家宝にします。 |
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2012.01.22 *Sun*
2周年を迎えました
このブログも本日付でめでたく2周年を迎えることができました。
ここまで続けてこられたのは、ひとえにご訪問くださる皆様のおかげです。 いつもありがとうございます。 そして、3年目もよろしくお願いいたします。 アニバーサリー2 今年もこの日がやってきたね あなたと迎える 2度目の記念日 もう2年たったんだね と思う気持ちと あれ まだ2年しかたってなかったんだ と思う気持ち その両方があたしの中にある 楽しくってあっという間だったような気もするし でもいろんなことがあったなあって ひとつひとつ思い出してみると すごく長い時間のような気もする うん いろいろあったよね いろんな人との出会いがあった 別れも あったよね それはぜーんぶあたしのこころのなかの 大切な場所にしまってあるの 今はつらくて見ることができないものも中にはあるよ だけどいつかきっと懐かしく思い出せることもあると思うんだ だから どんなことも捨てずに大事にとってあるんだ あ でもね できたら あなたとはずっと一緒にいたいな 来年の今日も 再来年の今日も ずっと ずっとね いつもありがとうございます。これからもお付き合いくださるとうれしいです、よろしくお願いします。 |
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2012.01.22 *Sun*
ふたつの願い15
☆世界のすべてとキミに
2017年、初夏。 ゴールデンウイークも終わった5月半ばの土曜日。あたしと賢吾はあの公園に来ていた。 いいお天気であったかくて気持ちいい。ふたりでベンチに腰掛けている今がとっても幸せ。 「こうしてるとさ、4年半前に地球滅亡の危機があったなんてウソみたいだな」 「ほんとだよね。しかもその危機を救ったのがあたしたちがなんてね」 賢吾の言葉に頷く。あれから4年半、あたしたちは大学生になった。 賢吾とは高校も大学もずっと一緒。このまま一生一緒にいられるといいなあってあたしは思っているんだけど、賢吾のほうはどうなのかな? そう思って賢吾のほうを見たら、あまりに気持よかったのか、居眠りを始めていた。 デート中になにやってるの?!って思わなくもないけど。まあいいか、あたしといると安心なのね、って思っておこう。 あたしは正面を向いた。あの時、キモピクシーがいたのがあのあたりかな、そう思いながらツツジの植え込みを眺めていたら、ツツジと同じピンク色のボールが飛んできた。 隣の芝生広場からかな、立ち上がって拾い上げてみる。 まだ真新しいそのボールには、小さい女の子に大人気のアニメキャラクターがプリントされていて「みずき ゆか」って名前も書いてある。 大事なものなんだろうな、ここに飛んできたってわかっているのかな。しばらくここで待ってみて、もし取りに来なかったら公園の管理事務所でアナウンスしてもらおう。 そう思ってボールを持ったまま、あたしは賢吾ところに戻った。 「暖かくて気持ちいいから、つい居眠りしてた。あれ、楓、そのボール何?」 賢吾がまだ眠そうな顔であたしに話しかけてきた。 「芝生広場のほうから飛んできたの、たぶん幼稚園くらいの女の子だと思うんだけど」 「ふーん。そういえばその植え込みの奥くらいだったかな、あいつに会ったの」 「ああ、キモピクシー?うん、そうだね、今ごろどこで何してるのかな。ここでまた誰かを待ち伏せしてたりしてね」 「縁起でもないこと言うなよ、オレは二度とあいつには会いたくない」 自分から話題を振ったくせに、賢吾はすごく不愉快そうな顔をしてそう言った。相性悪かったもんなー。賢吾とキモピクシー。まああたしももうあまり会いたくないけど。 その時、目の前の茂みがガサガサと動いた。え、これってまさか? イヤな予感がしたけど、ツツジの間から顔を出したのは3つくらいの小さな女の子だった。 色白でぱっちりとした目が印象的な子で、キモピクシーの100倍くらい可愛い顔してる。 女の子は茂みから出ると辺りを見回している、捜し物かな。 「もしかして、みずきゆかちゃん?」 声をかけると女の子はびっくりしたような顔でこちらを見た。 「おねえちゃん、どうしてあたしのなまえ知ってるの?」 「これ、あなたのでしょ、さっき向こうから飛んできたの」 ピンクのボールを差し出すとゆかちゃんは顔を輝かせた。 「よかったー、これね、パパが買ってくれたあたしのタカラモノなの。おねえちゃん、どうもありがとう」 ゆかちゃんはぺこりとお辞儀をして、あたしの手からボールを受け取った。うん、しつけも行き届いていてなかなかよろしい、ほんとあいつの1000倍は可愛い。 あたしがそう思ったとき、 「ゆかー!」 二十代半ばくらいの若い男の人がゆかちゃんの名前を呼びながら駆けてきた。 「あ、パパだ!」 ひえ、あれがパパ?!わっか!! ずいぶん若いときに結婚したのかな。 「結花、勝手にほかのところに行ったらダメだって言ったろ」 「ごめんなさい。ボールがこっちに飛んでったからつい。あ、ボールね、このおねえちゃんが拾ってくれたの」 「そうか。どうもありがとうございます」 「いえ、どういたしまして」 「結花もちゃんとお姉さんにお礼言ったか?」 「うん!」 ゆかちゃんは得意げに頷いた。ほんと可愛いなあ、あたしもこんな子欲しいな。いやもちろん将来の話だけど。 なんてあたしが密かに考えていると、ゆかちゃんのパパの胸元で携帯が鳴った。 「あ、ママからのメールだ、パパ読んで」 「わかった、えーと。もうすぐお昼ごはんだからそろそろ帰ってきてね、今日は謙悟さんと結花の好きなオムライスです、だって」 「うわ、ゆかオムライス大好き!早く帰ろう!じゃあ、おねえちゃんどうもありがとう、バイバイ!」 そう言うとゆかちゃんはパパと手をつないで仲良く帰っていった。 「あの人、けんごっていうんだな」 いつの間にか賢吾が後ろに立っていた。 「うん、あたしもびっくりした。すごい偶然だね」 「あの子、可愛かったな」 「うんうん、パパさんも感じいい人だったね」 「オレと同じ名前だからな」 「えー、結局それが言いたかったわけ?」 「はは、まあな、しかしオレ子供あんまり好きじゃないと思ってたけど、実際接してみるとほんと可愛いな。それに」 「それに、何?」 「いや、あの人見てたら若いパパってのもいいなあ、とかさ。あ、いやなんでもない。オレらもメシ食いにいくか?」 「うん!」 そうだね、あたしたちも近い将来、あんなふうになれたらいいな、とは照れくさくてとても言えなかったけれど。 言葉の代わりにそっと右手を差し出したら、賢吾はその手を強く握りかえしてくれた。 おひさまが暖かくて、風が気持ちよくて、そしてつないだ手と手が心強くて。 そんなことすべてが限りなく貴重で愛おしい。 今日も世界はここにある。 そのことに心からの感謝を。 世界のすべてとキミに、ありがとう・・・。 END 読んでくださってありがとうございます。 「地球をすくう」とか、らしくないことに取り組んでしまい、大丈夫かな、と思いましたが、なんとか完成しました。 とはいえ、私の書くものですからほとんどが日常話ですが。 楓と賢吾のカップルはいつもの水聖という感じですが、もう一方の主人公謙悟には苦労させられました、なにせほとんど全編真っ暗なので。 ここまでシリアスな主人公は初めてでした。彼だけだと書くのがしんどかったのですが、バカップルのパートで気分を盛り上げながらどうにか完成までもっていったという感じです。 まったく接点のない二組の話を同時進行しながら全体の話を作っていくという手法は初めてでなかなかに新鮮でした。 この話に続きはありませんが、もしかしたらキモピクシーは今日もどこかで願いを叶えるためまちぶせしているかもしれません。それはあなたのすぐそばなのかも。 |
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2012.01.21 *Sat*
ふたつの願い14
☆クリスマスの奇跡 2014年 12月24日
「謙悟さん、お弁当持ってきたよ!」 事務所で経理業務をやっていたら、明るい声とともにドアが勢い良く開いた。 「梨花、家でゆっくりしてろって言ったろ」 「だって、一人でうちにいてもつまらないんだもん。大丈夫、病気じゃないんだし、健康なんだから動いたほうがいいの。謙悟さんとお父さんだけにしとくと、すぐ部屋の中汚くなるし」 そう言いながら、梨花はてきぱきと散らかった部屋の整理を始めた。有難いけど、心配で仕方がない。 「でもまだ安定期じゃないからおとなしくしていたほうが」 「心配性ねえ、大丈夫だって言ってるでしょ、なにもマラソンするってわけじゃないんだから。悪阻も全然ないし、食欲もあるから動かないと太りすぎてかえって難産になるのよ」 梨花は半年前に結婚したオレの妻だ。働き者で可愛くて気立てもいい。そして、今は妊娠4ヶ月。来年にはもうひとり家族が増える。 そしてそんなオレたちのことをにこにこしながら見守ってくれているのは、社長。梨花の父親でオレにとっては義父になる。 こんな日がやってこようとはつい1年前までは、想像することすらできなかった。 去年の11月の終わり、オレは不況で勤め先を解雇され、長く付き合ってきた恋人に別れを告げられた。 苛めが原因の不登校からようやく立ち直り、人生のやり直しができそうだと思っていたときだっただけに、ショックは大きかった。 自暴自棄になり、自殺も考えていたとき、オレはたまたま変な生物を助けた。 それは不細工極まる雄ガキで、人間とそっくりだったが人間じゃない証拠に体長が15センチほどしかなく、背中にはトンボみたいな透明な羽が生えていた。 そいつはでかいクモの巣に引っかかっていて、無視しても何ら構わなかったんだが、「助けてくれたらお礼にひとつだけ願いを叶える」と言いやがった。 その時、オレを苛め抜いた中学時代のクラスメイトや、オレのことを異物でも見るような目でみた家族、そしてオレのもとを去っていった恋人の姿がフラッシュバックした。 この世界のすべてはオレの敵だ、そう思った。 「魔が差す」というのはああいう時のことを言うのだろう。 変な生物が得意満面で「どんな願いでも叶える」とか言うものだから、ついマイナスの感情の赴くまま「だったら、隕石でも地球にぶつけて、地球を滅亡させてみろよ。クリスマスイブがいいな、浮かれてる連中に天誅を下すってわけ、愉快じゃないか」と言ってしまった。冗談だったとは言わない、幾分かは本気だった。そのくらい気持ちが荒れていた。それに、こんな不細工なおかしな生き物に、そんなことが出来るはずはないと高をくくっていた。 だから、帰ってニュースを見て、大騒ぎになっているのを知って仰天した。あれがオレのせいだなんて考えられなかった、考えたくもなかった。 ただの偶然だと思い込もうとしたけど、滅亡の方法も時期も一致している以上、オレが勢いで言ってしまった願いが叶ってしまったのだとしか思えない。なんであんなことを口にしてしまったのだろう。 後悔したってどうしようもない、だけどどうしたらいいのかわからなかった。 オレは決して善人じゃない。けれど、「悪」になりきれる強さなんてこれっぽっちも持ちあわせていない凡人だ。世界の滅亡を前にして不敵に笑ってなどいられるはずがない。ただ、自分のしでかしてしまったことの重大さに膝を抱えて震えているしかなかった。 これは悪い夢だ、早く覚めてくれ。と虚しく願うことしかできなかった。 それから1時間か、いやもっと短い時間だったかもしれない。突然悪夢は終わった。 まっすぐに地球に向っていた巨大な隕石は、他の隕石との衝突によって軌道を変え、地球は滅亡の危機を免れた。 偶然?奇跡? いずれにしてもオレは地球滅亡の首謀者からただの失業者に戻った。この社会の中で最も情けない存在ではあるけれど、オレはそのことに心から感謝した。 神がいるのかいないかなんてオレにはわからない。けれども、オレはあのとき確かに救われたんだ。本当に神はいるのかもしれない。 そして、去年のクリスマスイブの早朝、オレはものすごい破裂音で目を覚ました。 吹きこんでくる風と部屋中に散らばったガラスの破片。 音の正体は外からぶつかってきた石のようなもので窓ガラスが割れたからだということがわかった。 それから、壊れたものがもうひとつ。 それは窓辺に置いてあった地球儀だった。どうもガラスを貫通した石がこれを直撃したらしく、太平洋の真ん中に大きな穴が開き、よく見ると直径3センチほどの黒っぽい石が中に入り込んでいた。 この石、どんな勢いで飛び込んできたんだ。あり得ないだろう。そう思ったのだが、もしかしたら。 あの地球を直撃するはずだった巨大隕石のかけらだとか、まさかね。 だけど、まるで地球の身代わりになったように大穴の開いた地球儀を見るにつけ、あながち外れてもいないような気がしてきたのだった。 去年のクリスマス前後は日本列島に大寒波が襲来し、平地でも雪がちらつくところが多くみられた。そんな時期に部屋のガラスが割れてしまったのは大災難だったが、この災難がオレに今の幸福を運んできてくれたのだから人生はわからない。 イブの土曜日に来てくれるところなんてあるかな、と思いながらガラス店に電話してみたのだが、幸い1軒目で「すぐに行きます」と言ってくれるところが見つかった。 30分ほどで現れた初老の男性はどうやら脚が不自由らしく、左の脚を少し引きずっていた。その体で重いガラスを運ぶのはとても大変そうだったので、「お客さんにそんなことはさせられない」というその人に「やらせてください」と半ば頼むような状態でオレはガラスの取り換え作業を手伝った。 もともと体を動かすことは好きなほうで、今思えばだから長いこと家に引きこもってはいられなかったわけだけど、高校時代はいろんなバイトをしてたから、すぐに要領を覚えた。 作業しながら、その人といろんな話をしているうちにすっかり気に入られたオレは、ちょうど人を探していたというその人の店で働くことにした。 そして、そこで事務を担当していたのが、今のオレの妻、ガラス店の主人の娘の梨花だったのだ。 一目見て「可愛い子だな」と思った。 そして一緒に仕事をしていくうちに、しっかりしていて気立てもいいことに気づいた。 これはあとで社長に聞いた話なんだけど、梨花は中学生のときに母親を事故で亡くしていて、家事を担当する傍ら、商業高校で簿記や経理を学び、卒業と同時に父親の手伝いをするようになった。 苦労しているのにいつも明るくて、ほんとにいい子だ、こんな子が奥さんだったら幸せだろうな、いつしかオレはそう思うようになっていた。 そして、梨花のほうもオレのことを憎からず思ってくれていたらしく、ほどなくオレたちは付き合うようになり、半年後には結婚した。 梨花はもちろん恋人としても最高だったけれど、それよりも梨花と家族になりたいと思った。どん底のオレを救ってくれた優しい社長のこともオレは大好きで、社長のことを父親のように思っていたというのもある。 その、オレの義父のことだけれど、脚が不自由になった原因は妻を亡くした事故だったのだという。 オレが会社に入ってしばらくしたとき、たまたま梨花が外出していたときに話してくれた。 事故は飲酒運転の車に正面衝突されたもので、社長のほうに何も落ち度はなかったが、咄嗟にハンドルを切ってしまったため、奥さんのほうにより大きなダメージがあった。 「どうして妻を守ってやれなかったのか、なぜ自分が助かってしまったのか」 目覚めたときには奥さんはもう荼毘にふせられていて、社長は自分を責め、何度も死にたいと思ったらしい。 「だけど梨花がな、“お父さんが助かってよかった”って泣いたんだよ。その涙を見たときに、どんなに辛くても生きないと、と思ったんだな。俺は自分を責めることで自分を甘やかしてきたんだと気づいたよ。俺が死んだら梨花は一人ぼっちになってしまう、そのことにまで考えが至らなかったんだな、ダメな親父だよ、全く。もしかしたらかみさんが俺を助けてくれたのかもな、梨花を一人にするなんて許さないっ、てな」 その話を聞いたときにオレは涙が止まらなかった。 オレはなんて馬鹿だったんだろう。これほどまでに辛い思いを抱えて、それでも愛する娘のために生き抜こうと決意している、こんな強くて優しい人をオレは自分の破滅願望の巻き添えにするところだった。 オレは間違っていた、でももう二度と間違わない。 梨花と結婚して、ずっと家族を守っていこう。オレがいるだけでいいと思ってくれるこの優しい人達のために。それこそがオレの求めていたものなんだ。 14で家族に見放されたオレは15で家族を捨てた。 それ以来、ずっと一人で生きてきたけど、心の中ではきっと家族を求めていたのだろう。 そして、今。 「じゃあ、謙悟さん、あたし帰るけど、謙悟さんもお父さんも早く帰ってきてね。今夜はイブだからみんなでお祝いしたいし」 「わかってる、3人で迎える初めてのクリスマスだから、仕事は早めに切り上げて帰るよ」 「3人じゃないよ」 そう言うと梨花はまだほとんど膨らんでいないお腹にオレの手をそっと当てた。 ああ、そうだ、ここにはもう新しい命がいる。 「そうだね、4人だ」 「うん、じゃあ、うちで待ってるね」 手を振りながら出てゆく梨花の姿を見送ると幸福な思いが満ちてくる。 梨花の中に芽生えた命。それはオレにとって最高のプレゼントだ。 奇跡でも偶然でもなんでもいい、地球が滅びなくて本当によかった。 今オレはそのこと心から感謝している。 今夜はクリスマスイブ。 メリークリスマス この星に生を享けたすべての命に祝福を。 やっと謙悟にも幸せが。次回最終回です。 |
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