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「FC2小説」ミサトの作品一覧

ではでは。
楽しんでくださると嬉しいです。

お、お久しぶりです。はい、お久しぶり過ぎますね。

前回の更新から一ヶ月半が経過しております、もちろんここまで放置したのは初めてです。まことにあいすみません。
ええと、生きております。
少々疲れ気味ではありますが、元気です。
ただ気力をどこかに落としてきたらしく、現在鋭意捜索中です。創作中じゃなくてすみません。

うーん、なんというか形にならないというか、集中してものが考えられなくなってます。

ぼんやりとアイディアは浮かぶのですが、それを練って文章にする気力がどうにも。
焦らなければそのうちまた書きたくなるのかな、と思いつつ様子見中です。
連載中ものもありますし、このままFOはしたくない、とは思っているのですが。

なんか言い訳ばかりですみません。

というわけで、近況を少し。
この間、東京に住む友達が大阪に遊びにきてくれました。
たまに電話で話したりはしてたのですが、実際に会うのは本当に久しぶりです。
「どうしようかー」と相談してたのですが、今更観光でもないし、落ち着いた場所でゆっくり話したいね、ということになり、彼女が提案してくれたのがホテルのティー・ラウンジでのアフタヌーン・ティー。
アフタヌーン・ティーって こんなの ですよ。
私、雑誌とかで見たことはあるのですが、実際に体験したことなんかないです。
しかも場所は梅田の某高級ホテル。
朱里さんに誘われた蒼くんじゃないですけど、ワタクシ、そんな場所に足を踏み入れたことなどございません。
だ、大丈夫なんだろうか?
と内心ドキドキしながら、もの慣れた様子で高級そうな絨毯の上を歩く彼女についていきましたらば、とっても素敵なラウンジに到着。天井にはでっかいシャンデリアがあったり、それはもう全く非日常。
で、出てきたのがこれ

120426_1216~01

これはまさしく、本でみたことのある3段のティー・スタンド。
1段目がサンドイッチとキッシュ。2段目がマフィンとスコーン、そして3段目がデザート。トライフルがおいしかったです。
で、彼女が「最近ネットで見かけませんねー。忙しいんですか?」
と聞くので「いやー、それほどでもないけど、なんか書けなくて」
「じゃあ、今日のこれで何か書きませんか?」
「ホテルでアフタヌーン・ティー?いや、うちの主人公貧乏だからさ、作者と同じく」
「えーと、じゃあ。女の子が初めてアフタヌーン・ティーを体験するとかってのは?」
「うーん、あ、でもそれが金持ち男の奢りだったりしたらすげえ腹立つ」
・・・苦笑されました。

まあ、それはさておき。
ひさびさに友達とじっくり話せたのはとっても楽しかったです。
アフタヌーン・ティーの話はそのうちにきっと。
あたしが書くとすごい地味になったりして。

ではまた。

長いこと休んでた間も見てくださった方、ほんとにありがとうございます。
2012.03.26 Sweet Message 9

Sweet Message 9

5分ほど歩くと、小さな児童公園に着いた。もうすっかり夜だから誰もいない。
あたしたちは街灯の下にひとつだけぽつんと置かれているベンチに並んで腰を下ろした。
なんかデートしてるみたいで落ち着かない。ついさっき失恋したばかりの相手なのになにドキドキしてるんだあたし。

「えーと、用って?」
「これ!」

香住は持っていた白い箱をあたしに差し出した。

「え、あたしに?なにこれ?」
「開けてみろよ」

香住に促されて箱の蓋を取ると中から現れたのは小さめのホールケーキだった。
真っ白なクリームにピンクのハートチョコがふたつとラズベリーとブルーベリーが載っている。すごく可愛いデザインだ。

「うわあ、可愛いしおいしそう。もしかして香住が作ったの?」
「ああ、あれからうち帰ってダッシュで作った」

あれからって、また思い出してしまった。恥ずかしいからやめてほしいのにー。

「あは、チョコのお返しとか?義理堅いのもほどがあるよ。それにホワイトデーは1ヶ月先だし」
「1ヶ月も待てなかったんだ」
「は?」

待てなかったってなんで?

「それさ、まだ未完成なんだ。最後の仕上げ、美月に手伝ってほしくて来た」
「あたしに?」
「そう」

手伝えってどうして。ん、今「牧野」じゃなくて「美月」って呼ばれた?そういやさっきの電話もそうだったような。

「これが仕上げのパーツ」

そう言いながら香住が取り出したのは星型のクッキー。物理のテストのことで凹んでいたときに香住がくれたことを思い出す。あれはプレーンだったけど今度のはココアクッキー。バレンタインだからかな。

「一つずつ、ケーキの空いたスペースに飾っていってくれ、順番通りに。これがひとつめ」

手渡されたクッキーにはホワイトチョコで「み」という文字が書いてあった。それをケーキの上に貼り付ける。うん、ますます可愛い、香住、センスあるなあ。
香住が次のクッキーを渡してくれる。「づ」だ。あれ、これもしかしてあたしの名前?
やっぱり次は「き」だった。あたしが何なんだろう。
そして次の文字は「す」
え・・・?まさか。
心臓が破裂しそうに高鳴った。
次の文字は
「き」
う、うそ、こんなのありえない。

「これで最後」

香住に手渡された最後の文字は「だ」

「はい完成!」

真っ白なクリームの上に載ったココアクッキーに書かれた文字、続けて読むと
「みづき すきだ」

「あああああ、あの・・・」

あまりびっくりしすぎてまともに喋れなくなってしまったあたしを見て香住はにっこり微笑んだ。

「この時間でこれ作っておまえの家まで来るのすげえ大変だったんだぜ」
「あ、うん。そうだよね、ありがと」
「それで返事は?」
「返事ってあの、でもそのなんで?」
「なんでって?」
「香住が好きなのは山本さんなんじゃないの?」
「は?なんでってこっちが聞きたい。どうしてここに山本が出てくるんだ」
「だってさっき山本さんとサイン交換してたからてっきり」
「サイン?」

香住は首をかしげている、どうやらほんとに心当たりがないらしい。

「山本さんからもらったチョコ見て、親指立ててたでしょ。でもって山本さんがVサイン返してて」
「あ、ああ、思い出した。あれか。あれはさ、山本がバレンタインにケーキ作って松永に渡したいから協力してくれってオレに相談にきたんだ。で、丁度調理実習でロールケーキやるからその時に教えてやるってことになって。もしうまくいったらお礼にチョコくれって約束したんだ。でもって山本からチョコが来たから、うまくいったんだってわかってさ。やっぱ自分の特技が人の役に立つと嬉しいじゃん」

な、なんだ。あれはそういうことだったのか。あたしったら早とちり。

「でもそれを言ったらあたしにだってチョコの作り方丁寧に教えてくれたじゃん。それってネタバレでしょ」
「ネタバレって。まさかオレにくれるなんて思ってなかったんだよ。あのときオレがどれだけ切なかったかおまえにわかるか?好きな子が他の男にやるためのチョコを作る手伝いをしてるオレって何なんだろってさ。でも男だし、ここは辛さをぐっと堪えておまえの幸せを祈ろうと」

え、そういうことだったの?何かお互いいろいろ誤解があったようだけどこれってつまり。

「あの、今オレものすごく不安なんだけど。さっきオレにくれたチョコとエプロンの意味ってただのお礼ってこと?」
「ううん」

どーしよ。嬉しくてどうしたらいいかわかんない。
でも、今度こそちゃんと言わなくちゃ。
生まれて初めてのバレンタインの告白。

「あたし、か・・・祐介のことが好き。あたしが作ったエプロンつけてまた一緒に料理作りたい」

そう一気に言ったら・・・

「オレも!」

香住、ううん祐介はそう言ってあたしを抱きしめた。
すごく幸せな気分であたしは祐介の胸に顔を埋める。
甘いバニラの香りがした。


ハッピーバレンタイン。
今日、世界中の恋人たちがこんな幸せな時を過ごしているんだろうな。
胸いっぱいにバニラの香りを吸い込みながらあたしはそんなことを思っていた。


                                  END



今回で完結です、読んでくださった方、どうもありがとうございます。
2012.03.25 Sweet Message 8
Sweet Message 8

その夜、なんだか一気に力が抜けてしまったあたしは部屋のベッドでぐったりしていた。
明日、どんな顔して香住に会えばいいんだろう、って気がしないでもないけど、香住のことだからきっといつも通りに振舞ってくれるだろう。
あたしは香住のそういうところに惚れたんだから。
ああ、やっぱりまだちょっと胸が痛いや。

携帯が鳴ってる、誰からかな。サエだったら泣いちゃうかもしれないなあ。
あたしはベッドの上をずるずると移動して携帯を取った。
発信元は、えっ?!「香住祐介」
なんで電話してくるのー?もうほっといてよ。慰められたらかえって惨めじゃん。
そう思ったけど、鳴り続けるコールに仕方なく電話に出る。

「も、もしもし」
“美月、今ちょっとだけ出てこれないか?”
「え、ちょっと待って」

時計を見ると6時45分だった。夕食は7時半だから、もし遅れるとしても8時前には戻ってないと。

「場所によるなあ。門限8時だから。今どこ?」
“おまえんちの前”

えーウソでしょー。
カーテンを開けて外を見ると、携帯を手にしている香住の姿が目に入った。
ほ、ほんとにいた、なんで?
あたしは急いでコートを羽織って外に出た。
大きめの白い箱を抱えた香住と目が合う。

「どーしたの、香住。てかなんでうちの場所知ってるの?」
「あれから部活帰りの島田を捕まえて聞いた」

あ、そうか、サエか。あれからって、あれだよね、恥ずかしいなあ。

「そっか、で、何か用?」

あの件はサクっと忘れてほしいんだけど。

「用があるから来たんだ、ちょっとそこの公園まで付き合え」
「うん」

5分ほど歩くと、小さな児童公園に着いた。もうすっかり夜だから誰もいない。
あたしたちは街灯の下にひとつだけぽつんと置かれているベンチに並んで腰を下ろした。
なんかデートしてるみたいで落ち着かない。ついさっき失恋したばかりの相手なのになにドキドキしてるんだあたし。

「えーと、用って?」
「これ!」

香住は持っていた白い箱をあたしに差し出した。

「え、あたしに?なにこれ?」
「開けてみろよ」

香住に促されて箱の蓋を取ると中から現れたのは小さめのホールケーキだった。
真っ白なクリームにピンクのハートチョコがふたつとラズベリーとブルーベリーが載っている。すごく可愛いデザインだ。

「うわあ、可愛いしおいしそう。もしかして香住が作ったの?」
「ああ、あれからうち帰ってダッシュで作った」

あれからって、また思い出してしまった。恥ずかしいからやめてほしいのにー。

「あは、チョコのお返しとか?義理堅いのもほどがあるよ。それにホワイトデーは1ヶ月先だし」
「1ヶ月も待てなかったんだ」
「は?」

待てなかったってなんで?

「それさ、まだ未完成なんだ。最後の仕上げ、美月に手伝ってほしくて来た」
「あたしに?」
「そう」
2012.03.24 Sweet Message 7
Sweet Message 7

どれくらいそうしていただろうか。
隣に誰かの気配を感じてあたしは顔を上げた。

「かすみ・・・」

香住が心配そうな顔をして立っている。

「なに?」
「どうしたんだよ、ぼんやりして」
「ううん、なんでもない」

ついさっきあんたに失恋したからなんて言えるわけないじゃん。

「ところで、ちゃんと渡せたか、チョコ」

胸の奥がズキンと痛んだ。なんで今それ言うかな。

「ううん、まだ」

そうだ、今渡してしまおう。ええと、なんて言うんだっけ?そうそう「この間のお礼」だ。そして香住のことはきっぱり諦めよう。

「えー、早く渡さないとみんな帰っちまうぞ」

香住の言葉に痛む胸の奥がゆっくりと凍りついていくような気がした。
あたしが香住のこと好きだなんて想像すらしてないんだ、したくもないのかもしれない。

「せっかく頑張って作ったんだから勇気出せよ」

香住の優しい言葉、今はそれが胸に突き刺さる。そうだね、その通りだよね。
結果がわかっていても、頑張ったことは事実なんだ、香住のために、生まれて初めて作ったチョコ。ちゃんと届けてあげないと。
あたしは覚悟を決めて机の中から紙袋を出して香住に押し付けた。

「はい、これ!」
「えっ?!」

香住は呆然としている、そりゃそうだよね。

「そういうことだから、じゃあ!」

あたしはそう言うと通学カバンをひっつかんで教室を飛び出した。
涙が溢れてくるのが止められない。誰にもこの顔を見られないように走って走って、そして駅のトイレに駆け込んで思い切り泣いた。

こうして。
あたしが初めてガチで挑んだバレンタインは盛大な初失恋に終わった。